顔汗

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手術で治せるの?

顔汗の中には手術でなおすことができるタイプのものもあります。そうとは言っても、顔汗には様々な原因があり、すべて手術で解決というわけではない点に注意しなければいけません。

 

また、手術で対応できたとしても、術後にトラブルがないのか等、気になる点も多々あります。顔汗の手術について解説します。

手術を適応できる顔汗とは?

手術で治療することができる顔汗は、顔面多汗症によるものです。多汗症による顔面からのの異常発汗で生活に支障をきたしているならば、手術を受けるという選択肢もあります。

 

多汗症とは顔、頭、手のひら、足の裏、脇の下などから大量の汗を描いてしまう病気のことです。大量の手汗でパソコンを壊してしまったり、紙を破いてしまうほどの発汗が見られることもあります。重症になると握手もできないなど、ビジネス上で困ったことにもなりかねません。

 

しかし「単に汗っかきなだけ」と、見過ごされがちなのも多汗症の特徴の一つです。もし、以下のような症状が見られたら、汗っかきではすまされない多汗症の可能性があるので注意しましょう。

 

・25歳以下で発症している。
・体の左右に均等に汗をかく。
・睡眠中に大量の汗をかくことはない。
・週に1回は異常発汗がある。
・日常生活に支障をきたしている。

 

多汗症の治療としては、制汗作用がある塩化アルミニウム水溶液を塗るという方法がまずあります。さらに、患部を水につけて弱い電流を流すイオントフォレーシスという手法もありますが、顔に適しているとは言えません。

 

A型ボツリヌス毒素を注射して神経と汗腺の回路をブロックするという方法も海外にはありますが、国内ではまだ未承認のため保険が使えず医療費も高額になってしまいます。

 

また、いよいよ多汗症の症状がひどくなってきた時には以上のような方法では解決が難しいため、医師から手術を提案されることもあるのです。

 

 

顔汗のための手術とは?

顔面多汗症を含む多汗症の手術方法としては、胸腔鏡下交感神経遮断術があります。これは、内視鏡を用いて汗腺に発汗の司令を出している交感神経を切断してしまうという方法です。

 

背骨の左右を上下方向に走っている交感神経ですが、胸の近くで切断すれば、上半身の汗を現象させることもできます。元々は手汗を止めるための手術方法なのですが、脇の下や顔汗の汗も減少することがわかり、顔面多汗症の治療にも用いられるようになったのです。

 

手術方法としては、まず、脇の下の皮膚に2mmから4mmほどの小さな穴を開けます。そこを入り口として胸の中に炭酸ガスを送り込み、肺の位置を少しずらします。

 

このようにすることで、肺の下を通っている交感神経を内視鏡で観察できるようにするのです。内視鏡の先端にある電気メスで交感神経を10mm程度切断し、その後、内視鏡を抜き取り、炭酸ガスを吸引して、穴を縫合して完了です。

 

交感神経の切断は片側のみという場合もありますが、両側を行うには反対側の脇の下からも同様の処置をします。

 

胸腔鏡下交感神経遮断術の副作用

胸腔鏡下交感神経遮断術は短時間で終わり、確実な効果を得ることができると言われています。しかし、そのかわりにすべての人に起きる副作用があるという点に注意しなければいけません。

 

胸腔鏡下交感神経遮断術には代償性発汗という副作用がつきものです。

 

代償性発汗とは、お腹、胸、背中、お尻、太ももから出る汗が増えてしまうというものです。顔、手、脇の下などから出る汗が少なくなる分、他の部位からの発汗を増やして体温を下げようとするメカニズムが働き、このような現象が起きます。

 

確かに顔汗は改善されたものの、代償性発汗があまりにひどく手術前よりもつらくなったという人もいます。手術を受けたことを後悔する人も、なかにはいるということです。

 

一度に両側を手術してしまっては取り返しがつかないため、まず片方だけを手術して代償性発汗に耐えることができるのかどうか確認してからもう片方を手術するか否か決定するという処置がとられるケースもあります。

 

ただ、顔汗がひどく、とにかく両側一度に手術したいという希望が優先されることもあります。

 

また、胸腔鏡下交感神経遮断術の副作用は代償発汗だけではありません。辛いものを摂取した時に大量の汗をかく味覚性発汗が出やすくなったり、まぶたが重たくなってしまうホルネル現象が起きる人もいるそうなので、手術に踏み切る前に慎重に検討して下さい。

 

何よりも問題なのは、一度切断した交感神経は再びつなぐことはできないという点です。「副作用がつらいので元に戻したい」というわけにはいかないのです。気になる点は何でも医師に相談してみることをおすすめします。

 

 

胸腔鏡下交感神経遮断術は何科で?

顔汗を病院で一度診察してもらうには、まず、皮膚科に足を運んでみましょう。そもそも手術が必要な顔面多汗症なのかどうかを診断するのは皮膚科です。症状が比較的軽微な場合の投薬治療や塗り薬での治療は皮膚科で行うことになります。

 

また、大きな病院では多汗症外来、発汗異常外来などを設けているところもあります。そういった多汗症を専門としている外来を利用してみるというのも一つの方法でしょう。

 

皮膚科や多汗症外来での診断の結果、手術が必要ということになったら、呼吸器外科、胸部外科、外科などで胸腔鏡下交感神経遮断術を行うことになります。皮膚科が紹介状を出してくれるはずなので、必ず持参するようにして下さい。

 

胸腔鏡下交感神経遮断術は、日帰りで行う場合もあります。保険治療になりますが、自己負担3割の方ならば約10万円とけっして安いものではありません。ただ、市町村の高額医療制度を利用することによって一定額が返還されるため、多少は負担を軽くすることもできます。

 

 

顔面多汗症のためにできること

以上のように、顔面多汗症は手術で抜本的に解決することももちろん可能ですが、日々の生活を見直すことも大事です。たとえば、食べ物によって汗をかきにくい体質寄りにする工夫をしてみるのも良いでしょう。

 

たとえばおすすめは大豆、納豆などの大豆製品です。大豆は女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンを含むため、自律神経を安定化して発汗を抑える効果を期待できます。

 

また、入浴にも時間をかけるようにしましょう。少なくとも15分は湯船につかることで、汗腺を開かせて老廃物とともに汗を排出することができます。

 

湯上がりにしばらく汗が出続けるかもしれませんが、しばらくすると自然にストップします。イヤな汗をかく前に積極的に排出してしまうというのも、一つの方法なのです。タップリ汗をかいた後には、くれぐれも水分補給を忘れないようにしましょう。

 

顔面多汗症による顔汗は、胸腔鏡下交感神経遮断術で根本的に解決することができるというのは、短期間でスッキリと治したいと考えている人にとっては朗報かもしれません。

 

ビジネスシーンでもプライベートでも、顔汗が気になって今一つ実力を発揮できていないという人は、利用してみるのも良いでしょう。

 

しかし、この手術には様々な副作用が伴い、手術前よりも日常生活で不自由することが多くなってしまう人もいないわけではありません。さらには、一度執刀してから元に戻すこともできない点も注意が必要です。

 

まずは信頼できる医師をよく探して、じっくり相談した上で十分に納得できてから踏み切ることをおすすめします。