顔汗

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多汗症が原因?

顔汗が出る原因には、思春期や更年期障害のホルモンバランスの乱れや、緊張からくる自律神経の乱れなど様々なものがありますが、中には、生理現象という範囲を超えた「多汗症」が原因になっている場合もあります。

顔面多汗症ってなに?

運動をしたわけでもなく、また気温が高くて暑いわけでもないのに、顔から汗が異常なほどに出る人は、多汗症の一種である、顔面多汗症の可能性があります。

 

多汗症の奥には、違う病気が潜んでいる場合もあるので、まずは、結核や悪性腫瘍によるものではないか、基礎代謝が上がるような病気(バセドー病など)ではないか、薬の副作用や化学物質の中毒によるものではないか、脳こうそくや事故などで脳や神経系にダメージを負っていないかなどをチェックします。

 

次に、多汗症を診断するガイドラインがあるのでチェックしてみましょう。

 

(1) 最初に多汗の症状がでたのが25歳以下だった
(2) 両手の平や両足の裏、両脇の下などのように多汗の症状が左右対称に現れる
(3) 異常なほどの発汗が睡眠中は止まる
(4) 週に1回以上、大量に汗が出る症状がある
(5) 家族や親せきに多汗症の人がいる
(6) 多汗の症状で日常生活に支障をきたしている

 

上記のチェック項目のうち、2つ以上該当している場合は、多汗症の可能性があります。ですが、汗っかきなのか、多汗症なのかは医療従事者でなければ判断がつきにくいもので、一度、医療機関で発汗検査を受けてみてはいかがでしょうか。

 

汗だけで医療機関を受診するのは抵抗があるという人もいるかもしれませんが、受診することで、自分の汗の原因を知ったり、治療が可能になったりもします。

 

基本的には、多汗症の診察は内科か皮膚科を受診します。内科では、何かの病気が原因で多汗になっているのではないか?という点から診察を受け、皮膚科では、多汗症かどうかを発汗検査をして診断してもらいます。

 

顔面多汗症かどうかを診断する発汗検査には、ヨードを吸収させた紙(ヨード紙)を発汗している部分に貼り付け、色の変化を見て汗の量を量るヨード紙検査や、小型のカプセルを使用して発汗量を調べる換気カプセル法などがあります。

 

 

顔面多汗症のメカニズムを知っておこう

顔や頭から異常なほどの量の汗がでる顔面多汗症ですが、大量の汗がなぜ出るのか仕組みをまとめてみましょう。

 

汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺という2種類があります。どちらもほぼ全身にあるのですが、エクリン腺は単独で存在するのに対し、アポクリン腺は毛穴に付随するような形でそれ単独ではありません。

 

顔面多汗症の場合に、汗が出るのはエクリン腺からのみで、エクリン腺からでる汗は、本来は体温調節のために働いています。

 

汗をかく=汗臭くなるというイメージがある人も多いものですが、エクリン腺から出る汗の成分は、水と塩分・ミネラル分で構成されているので、顔から出る汗が臭うことはありません。

 

エクリン腺は、ほぼ全身に存在していますが、特に手足や脇、頭から顔にかけて密度が高くなっています。多汗症の人が手や足、脇、顔など局所的なことが多いのは、このエクリン腺の密度が関係しているからだと言えます。

 

発汗は、体の自律神経が作用しておこります。自律神経は、交感神経と副交感神経がバランスを取り合いながら様々な器官に影響をもたらしているのですが、発汗はこの2つのうちの交感神経が働くことで起きる現象です。

 

交感神経は、興奮や緊張状態にあるとスイッチが入るようなもので、そのような状態の時に汗が出るのは正常な体の動きです。

 

ですが、交感神経が過剰に反応していたり、交感神経の刺激がエクリン腺に過剰に伝わってしまうことで異常なほどの汗が出る多汗の症状がでます。

 

 

顔面多汗症の治療って何をするの?
塗り薬

多汗症の治療には、有効成分である塩化アルミニウムを配合した塗り薬が処方されることがあります。塩化アルミニウムと皮膚の成分が反応して汗腺を防ぐ効果がありますが、顔に使用する際には、その濃度に注意が必要です。

 

使い続けると肌に負担もかかる上、効果も低下してくるので、常用はあまりおすすめできません。医師の説明をきちんと受け、用法と用量を守って使用しましょう。

 

飲み薬

多汗症の薬として認可がおりている飲み薬が「プロバンサイン」です。プロバンサインは、アセチルコリンという物質が出るのを抑えて汗が出るのを減らす神経遮断薬です。

 

顔汗にも効果を発揮しますが、汗腺以外の全身に作用してしまうので、目がかすんだり、便秘や尿が出にくくなったり、喉が渇くなどの副作用が出やすい薬です。そのため、医療機関によっては方針により処方していない場合もあります

 

緊張することや、不安感などの精神的な要因や、ストレスを感じることによる多汗だと診断された場合には、精神安定剤の一種が処方されることもあります。

 

緊張して汗が出て、その汗を周りの人に気付かれまいとして更に緊張をよび症状が悪化するという悪循環は、顔面多汗症ではよくあるパターンで、そのように症状や原因が複雑化している場合などにも有効です。

 

漢方薬

顔面多汗症の症状を抑えるために漢方薬を取り入れている医療機関は多くあります。漢方薬は、根本の体質から改善することを目的としています。

 

効果が発揮されるまで時間がかかる点や、効果の出方に個人差が大きいことなどがあげられますが、自分に合った漢方薬が見つかると、多汗以外の体の不調なども整えることが出来るので便利です。

 

注射

ボツリヌス注射と呼ばれる、ボツリヌス菌が出す「A型ボツリヌス毒素」というものを注射し、アセチルコリンという成分の分泌を抑制させます。アセチルコリンを抑制すると、汗腺への刺激が弱まり、汗が出にくくなります。

 

1回の注射で効果が半年ほど持続するというメリットがあります。

 

但し、ボツリヌス注射は痛みが強い上、保険診療ではなく自由診療扱いになるので、治療費が高額になってしまうという面もあります。

 

医療機関の方針によっては、顔面多汗症の治療にボツリヌス注射を採用していないところもあるので、気になる人は事前に確認しておくことをおすすめします。

 

 

顔面多汗症の人が気を付けること

顔面多汗症の人が気を付けたほうが良いことがあります。それは、顔から出る汗を気にし過ぎないようにするということです。そんなの無理!と思われるかもしれませんが、汗は体質的な問題だけでなく、心の問題も大きく作用します。

 

人から変な目で見られているのではないか、自分の汗は異常なのではないかなどと考えてしまうことで、心と体に緊張状態が続きます。緊張すると交感神経が刺激され、汗が出やすくなります。

 

出てくる汗を気にし過ぎることで、より一層汗が出やすい状態に自分自身がベクトルを向けてしまうことにつながります。

 

汗は人間が生命活動をする上で必要な作用です。緊張したら汗が出るのも当然のことです。自分の汗をひどいコンプレックスに感じないように、意識することが大切です。

 

自分の心身が緊張していると感じた時に簡単にできるリラックス方法などを探してみることをおすすめします。

 

生理現象という範囲を超えた異常なほどの顔汗が出るという人は、まずはセルフチェックをしてみて、該当するようであれば医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。

 

内科で他の病気の疑いがないかを診察してもらい、汗が多汗症であると診断されたら、対処方法も見つけやすくなります。放っておいて症状がひどくなる前に受診することをおすすめします。